マンスリーコラム:アシュタンガヨガについて思うこと②

さて、アシュタンガヨガはとかく運動量の多い、そしてダイナミック、キツイ・・・
イメージが先行しその上、毎日練習するとなると聞いただけで
中々のストイックさとハードルの高さを感じます。

そして、スポーツクラブのアシュタンガヨガクラスは1日限りのクラスのため
ある程度運動に慣れている方でないととても厳しく、レベルの高い
クラスに感じられるはずです。

本来アシュタンガヨガは、毎日練習することを前提にしています。
一気に駆け抜けてポーズをいくつもその日のうちに習得するのではなく
ポーズは先生から教えてもらったところまで順番は自分で覚えて練習します。
スタジオに行ったら、マットを広げて太陽礼拝から順にポーズを取って練習を
進めます。その場は静寂の中、練習生の呼吸の音だけが響くとても神聖な空間に
なっていきます。
自主練とはいえ先生は必ずその場にいるので
先生と一対一で少しずつ練習を重ね、
できるポーズもできないポーズもとりあえず毎日練習していく。
その中で身体の変化を感じ強くなりながら体力をつけていく。
そうすることで一連の流れは自然と身についていくものです。
アシュタンガヨガは本来、そのようなスタイルの練習方法で進んでいきます。
このクラスをマイソールクラスと言います。
スポーツクラブなどにある、先生の掛け声に合わせてポーズをとる
クラスをレッドクラスといい、アシュタンガヨガの練習は2種類あることを
知っておくと良いと思います。

スポーツクラブのアシュタンガヨガクラスの
ペースが速すぎる・・・とか、できないポーズはずっとできないまま
なのかな?そしてもっと先に進むにはどうしたらいいのかな?
そんなことを感じ始めている方には本格的にアシュタンガヨガを
教える先生の元、マイソールクラスへの参加をおすすめします。
確実にアシュタンガヨガを学ぶにはやはりマイソールクラス
で学ぶことが大切です。

しかし、そのマイソールスタイルのクラスに誰でも通えるか?
というとそこにも高いハードルがあります。
マイソールクラスは伝統的には早朝に行われておりそして
教えられる先生が限られています。
スタジオも都内が多いため、劇的な生活の変化をさせない限り
中々そのクラスへの参加を踏み出せません。
私も自分の練習の為に朝早から渋谷や荻窪へマイソールクラス
を開催しているスタジオに通えるようになるには時間がかかりました。

そのようなお気持ちの方には
マイソールクラスへの参加を目標にしながら、
たまに開催されるポーズの研究のワークショップに参加されたり
週末だけ都内のマイソールクラスへ参加してみたり
アシュタンガヨガを教える先生にアドバイスを求めたり
そんなことをしながらアシュタンガヨガの道を進むことをおすすめします。

私も松戸近辺でもう少しアシュタンガヨガの練習を深めたい方の為に
比較的スムーズにポーズを習得できるスタンディンポーズまで
のクラスを開催したり、本格的なマイソールクラスへの参加の
前に体験的なマイソースクラスを夜の時間に開催したりしています。

アシュタンガヨガは中々チャレンジングなヨガであることには
変わりませんが、先生にしっかりと教われる環境の元でならば
どなたでもいつからでもできるヨガだとわたしは思っています。

アシュタンガヨガを始められたシュリ・Kパッタビジョイス氏の著書
『ヨガ・マーラ』にはこんなことが書かれています。

「ヨーガの実践に年齢制限はなく、誰でもー女性でも男性でも、虚弱な人でも、
病気や身体が不自由な人でもー練習することができます。~
怠惰な人々だけがヨガの枝の練習は役立たないという結論に至るのです。
彼らを除けばヨガは性別を問わず8歳以上の誰にとっても非常に重要なものなのです。」
(ヨガ・マーラP54)

真ん中が「ヨガ・マーラ」
右はポーズの順番と名前がわかる「ASHTANGA YOGA」